日本一参考にならない西日本縦断旅行ガイド①
こんにちは、支店長の池田です。
先日お休みを利用して島根、福岡、長崎と旅行をしてきました。
ちょっと普通には理解しがたい移動距離なので今回もまた、全く参考にならない旅行ガイドです。
まずスタートは島根県益田市から。
そもそもなぜ島根県?という話ですが、今回の旅の最大の目的がこちら
建築家の内藤廣氏の展覧会が島根県益田市の島根県立石見美術館で開催されているからでした。内藤廣氏というとあまり聞き慣れない方も多いとは思いますが、羊羹で有名な「とらや」の各店舗のデザインやミキモト銀座本店、朝ドラで注目を浴びている牧野富太郎記念館などを手掛けている日本のトップ建築家の一人で、私もとても好きな建築家です。
そんな内藤さんがこれまでに手掛けて建てられた作品、世には出なかった建てられなかった作品をそれぞれ展示するという集大成の展覧会を開催する。しかも自身の作品である島根県立石見美術館で。そして巡回展示の予定なし!
そうなるともう島根に行くしか無いですよね!?
ただ、島根県益田市というこの立地は大変行きにくい…。(失礼)
最寄りの萩石見空港は羽田空港との往復で1日2便だけ(ANAのみ就航)という状況の為どうやっても日帰りでは観覧する時間が少なすぎる…!
という事で宿泊する必要が出てきたのでそれならばどうせ西日本に行くのだからほかにも今見ておかなければいけないものを抱き合わせで見て行こうという事で計画となったのが今回の旅行です。
そんなこんなでまず訪れたのは勿論島根県立石見美術館。
屋根から外壁、その全てをこの地域の特産である石州瓦で葺いた建物は全体で6万枚もの瓦が使用されているそうです。(これを全て地元で焼いたというのでその手配だけで物凄い労力がかけられたことは想像に難くないですね)
内部は杉板型枠のRC打ち放しと杉材の小幅板を張り合わせた壁の組み合わせ。高い天井の空間はまるで鍾乳洞にでも入ってきたかのような感動を覚えます。
この施設は芸術文化センターというホールも設置されていてこの日も地元の学生が何かイベントで来場していました。
さて、本命の展示会ですが、内部は撮影禁止の為お見せ出来ませんが、本当に充実の展示内容でした。
内藤氏が設計をする際に出てくる情熱的な部分の「赤鬼」と冷静な部分の「青鬼」が対話形式で作品を紹介していくというので展示の内容もとても分かりやすく建築にはあまり縁が無いような人でも楽しめるような構成となっていました。
中でも関心したのがアンビルド、つまり建てられなかった(コンペ等に負けた)建築を紹介する展示でした。普通の人なら上手く行かなかったプロジェクトや他の設計事務所に取られてしまった仕事の事なんか紹介するどころかすぐにでも忘れてしまいたいと思うかもしれません。
それを内藤氏はこの美術館は大中小の3区画に展示室が分かれている中で一番大きな展示室をアンビルドの展示に使ったのです。
つまり「最も自分が見せたかったのはこの負けた建築群である」とでも言わんばかりの展示でした。
その展示にもそれぞれ赤鬼と青鬼が会話しているのですが、「審査員にコンセプトが理解されなかった」「当選案より自身の案の方が優れている」など冗談とはわかっていても際どい発言の連発で、これは地方の美術館で巡回なしだから言いたい放題いっているなという場面もあり思わず笑ってしまう場面もありました。
(内藤さん、これは巡回させられないですね…)
そんな冗談ははさみつつも最終的には「力不足」「伝えきれなかった」など自信の問題として整理されていて、また、ビルドのみでは分からなかった細かな内藤氏の設計の変遷などがより理解できたのでとても良い展示でした。
さて、せっかく西日本に来たんだからこれだけでは勿体ない!
という事で益田を後にして福岡へ。電車で乗り継げば遅くまで移動できるので展覧会もじっくりと鑑賞で来たのでとても良かったです。
益田でNo.1のお土産はこの鶏卵饅頭との事で早速買って車窓に揺られながら食べましたがとっても美味しかったので、もし益田に行く際は是非ご賞味ください!
それでは続きはまた!