看板建築の街
こんにちは、支店長の池田です。
先日、茨城県石岡市にて建築されるO様邸の地鎮祭に参加してきました。
石岡市というと有名なのは看板建築ですね。
看板建築とは、関東大震災以降から昭和初期に流行した商店建築の様式です。
震災復興で火災の予防や耐震性の向上を目的に鉄筋コンクリート造で建てる建物も増えて行った時期に鉄筋コンクリートや鉄骨造などで建てるだけの資金が無い小規模な商店などが通りに面したファサードだけを鉄筋コンクリート風、擬洋風に飾り立てたりした独特な建築です。
石岡市にはこの看板建築が多く残っており、ちょっとした観光資源にもなっているんです。
こうして並んでいるとまるで映画のセットのようですね。
見学した建物をいくつかご紹介します。
森戸文四郎商店
昔は飼料店として営業していたようです。窓の上のレリーフや石を積んだような見た目の目地などまさに看板建築といった感じです。
これが全部木造の建物の表面にモルタルで左官屋さんが描いた鏝絵だというのだから昔の職人さんの力量に驚きます。今、これをお願いして出来る職人さんは居るのでしょうか…。
十七屋履物店
上部のパラペットが特徴的な履物屋さんの建物です。
橋の欄干のようなイメージなのでしょうか、建物中心の要石も凝っています。
久松商店
お隣の久松商店は看板建築のもう一つの特徴である銅板葺きの建物です。
銅板を細かく葺いていきレンガのような面持ちを作り出しています。
玉川商店・吉田クツ店
こちらも銅板葺きの2軒長屋です。
長い年月を経て色々改修されながら使ってこられた跡が多く見えて看板建築とは高尚な建築家の作品などではなく庶民の工夫により生まれて使い込まれてきたからこそ今も多くの人に愛されている建築様式なのだろうと感じます。
この玉川屋さんですが
去年閉店されてしまったようですね。
看板建築という独特な様式が生まれて100年余りが経ちその多くが失われつつあります。
そんな貴重な建築が多く残っていて実際に見る事ができる石岡市にぜひ足を運ばれてはいかがでしょうか?
それではまた。